在ロサンゼルス総領事館からのお知らせ

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Actualizada en 2011/ 5/ 12

子の親権問題(国境を越えた子の連れ去り問題)について

近年、国際結婚が増えている一方で、海外における結婚生活で困難に直面したそれぞれの国籍の異なる父又は母のいずれかが、居住地の法律に反する形でもう一方の親の同意なしに子どもを母国に連れ去り、問題になるケースも発生しています。 また、日本から子どもを国外に連れ去られる事例も発生しており、子どもに会えずに辛い思いをされている日本人の親もいらっしゃいます。 今回は、特に米国に居住される日本人の皆様に留意していただきたい点をまとめました。

1.
Q.何が問題なのですか?

A.米国の国内法(刑法)では、父母のいずれもが親権(監護権)を有する場合又は離婚後も子どもの親権を共同で有する場合、一方の親が他方の親の同意を得ずに子どもを連れ去る行為は、重大な犯罪(実子誘拐罪)とされています (注1*)。 例えば、米国に住んでいる日本人の親が、他方の親の同意を得ないで子どもを日本に一方的に連れて帰ると、たとえ実の親であっても米国の刑法に違反することとなり、再渡航した際に犯罪被疑者として逮捕される場合があり得ますし、実際に、逮捕されたケースが発生しています。 また、ICPO(国際刑事警察機構)を通じて誘拐犯として国際手配される事案も生じています。 国際結婚後に生まれた子どもを日本に連れて帰る際には、こうした事情にも注意する必要があります。 具体的な事案については、家族法専門の弁護士に相談されることをお勧めします。

(注1*)16歳未満の子の連れ去りの場合、罰金若しくは3年以下の禁錮刑又はその併科を規定(連邦法Title 18, Chapter 55, Section 1204)。 州法により別途規定がある場合もあります。 各州による規定の詳細については、以下の National District Attoneys Association のウェブサイトを御参照下さい。
http://www.ndaa.org/pdf/Parental%20Kidnapping%20June%202010.pdf
 
2.
Q.ハーグ条約 (国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約)とは、どのような条約ですか?

A.国境を越えた不法な子の連れ去りを防ぐことなどを目的として、1980年、ハーグ条約が採択されました(平成23年2月現在、締約国数は84箇国)。 ハーグ条約の概要はこちら。 日本政府は、ハーグ条約の締結可能性について、できるだけ早く結論を得るべく、真剣に検討を進めています。 この条約の締約国は、他の締約国に不法に子を連れ去られたとの監護権者からの申立てを受けて、子が元々居住していた国に迅速に返還されるようにするための措置をとる義務を負います。 親権をめぐる父母間の争い等は、子の返還後に、子が元々居住していた国の裁判所において決着することが想定されます。 上記のとおり、この条約は、もう一方の親の同意を得ない等不法に連れ去られた子の返還について定めるものですから、子の居住していた国の法律、手続に従って日本に連れてきた子は、この条約の対象とはなりません。

 
3.
Q.未成年の子に係る日本国旅券の発給申請について

下記のURLをご覧下さい。
http://www.mofa.go.jp/announce/info/passport.html

 
4.
Q.家庭問題に関する相談はお早めに関係団体・機関へ

(1) 国際結婚されている方の中には、外国人の相手とのコミュニケーション・ギャップや価値観の違いによるストレス、虐待など深刻な事態に直面した場合の戸惑い、外国における孤独感などから、日本に子どもを連れて帰る事例が発生しています。 しかしながら、そのような行動をとったことにより、その国において犯罪者として扱われる等、国を越えたトラブルに巻き込まれ続けることにもなりかねません。

(2) また、お子さんは、夫婦両方にとってのお子さんであり、子どもにとっては、どちらも大事な親です。 両親間の争いが生じた場合には、子は翻弄され、心身ともに傷つくことが珍しくなく、成長過程の子どもにとって大きな負担を与える危険性もあるといわれています。 そして、国境を越えて、両親間の争いが継続する場合、子が受ける影響は更に大きなものになる場合があります。

(3) 米国には、家庭内暴力(DV)等の家庭の問題に対応する相談団体・機関が多くあり、シェルター、カウンセリング、弁護士の紹介や法律相談、法的援護活動、生活困窮者に対する救済金申請支援及び、育児支援等の一連の情報提供を可能としています。 また、これらの機関の中には、日本語での利用が可能な機関もあります。 仮に日本語利用可能な機関が、居住されている州になくても、他州からの相談に応じたり、適当な機関の紹介が可能な場合もあります。 問題の兆候が見え始めたら、お早めに各種団体・機関 (注2*) にご相談されることをお勧めします。

【差し迫った危機の場合】
  • 警察 (911)
  • National Domestic Violence Hotline (1-800-799-SAFE(7233), 24時間利用可能)
    http://www.thehotline.org
    画面左上のget helpをクリックすれば、各州ごとのDVセンター連絡先やEメールでの連絡先にアクセスできます。
【米司法省内のサイト】
【日本語利用可能な機関】
  • Asian / Pacific Islander Domestic Violence Resource Project (日本語のパンフレットを用意)
    http://www.dvrp.org
  • Asia Task Force Against Domestic Violence (24時間利用可能のヘルプライン(617-338-2355)。職員は日本語対応も可能)
    http://www.atask.org/site/
  • Asian Women's Shelter
    http://www.sfaws.org
  • New York Asian Women"s Center (24時間対応のホットライン(1-888-888-7702)は日本語可能)
    http://www.nyawc.org
【弁護士の検索】
【ロサンゼルスにおける日本語利用可能な機関】
(注2*)本リストは、一般的な情報提供として作成したもので、当館が紹介・斡旋するものではありません。 各機関への連絡・照会等は直接ご自身で行っていただくようお願いいたします。 また、これら機関とのトラブル等については、当館として一切責任は負えませんので、あらかじめご了承の上、ご利用下さい。
【日本におけるDV定義や支援策】
お問い合わせ先
在ロサンゼルス総領事館 領事部
電話 : 213-617-6700

Actualizada en 2011/ 5/ 12

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